短気は損気

 

わたしが子供のころ。

祖母に教わった言葉があります。

 

『気は長く 心は丸く 腹立てず 口慎めば 命長かれ』

 

何処かは忘れてしまいましたが、お寺で書かれていた言葉だそうです。

 

「気」が長く書かれ、「心」が丸く書かれ、「腹」が横向きに書かれ、

「口」が小さく書かれ、「命」が長く書かれていました。

 

その文章を見たときに、なんとなく深いな~と思ったのを覚えています。

 

短気は損気と言いますが、

短気な人はすぐに腹を立てます。

心が尖り、腹が立ち、口から文句や悪口が沢山でてきますよね。

 

そんな性格や態度の人には、運が巡ってきません。

命が長くないということは例えの言い回しでしょうが、

穏やかで平凡な時間は決して生まれないと思います。

 

短気なのは、損。

そんな単純なことを言っているのですが、

ただ短気ではなくなるたけで、

世界はこんなにも優しくなるのだと教えてくれる一文です。

 

細かいことにいちいち腹を立てず、

まあ良いかと許容できることを増やしていくだけで、

他人に優しくできることが増えていきます。

心なしか、自分が一回り大きくなっていく気がして良いですね。

 

人に優しくするようにとは、日本人なら誰でも道徳心を教えられていますが。

 

それでも、なかなかいざとなると自分の感情がむき出しになってしまい、

イライラの感情だけで周りに対する接し方が冷たくなってしまいます。

 

自己中心的とも言われますが、まさにこれが自分のことしか考えていないという結論を生み出してしまいますね。

例えば店員にイライラした時に、その場で相手を叱咤し、暴言を吐いて立ち去る。

一見は店員が悪いのだから怒鳴られても仕方が無いともとれます。

自分は正しいことをしたと怒りを露わにしながら思っているのでしょう。

 

ですが、そこで少し我慢することも必要なんです。

怒鳴っている自分は、それで良いかもしれません。

ですが、大勢の他のお客さんがいる前で怒鳴られる店員は惨めな思いをし、

その怒鳴り声を聞かなければならない他のお客さんにとっては迷惑しかないです。

結局、なにもかも悪いのは怒鳴って帰って行く人だけです。

怒鳴られて可哀想に・・・と思ってくれるお客さんもいてくれます。

明らかに、怒鳴られても仕方ないと思う人は少ないはずです。

その怒鳴り声を聞いて、自分も嫌な思いをしていますからね。

そこでグッと我慢し、言いたければ怒鳴らずに伝えた方が、怒鳴って一人だけ悪者になることもなくなります。

 

一番言いたいときに、言いたいことを言わないようにするのが大人です。

 

他人に優しく。

自分1人じゃ絶対に生きていけない。

思いやりというのは、

自分の心の広さを表わしています。

 

そんなこともある、そう思って他人を許していける優しい心を育んでいきたいですね。

 

(つづく)