詐欺を家族に知られた瞬間

こんにちは! るんらびです^^

 

前回の続きです。

 

詐欺にまんまと騙され、カードで10万円、銀行振り込みで30万円。

合計40万円もの大金を騙し取られてしまった私は、藁をも縋る思いで弁護士事務所に相談をしました。

 

無料で相談にのってもらえ、報酬も成功報酬型ということで安心してお願いすることができました。

 

しかし、それでも書類はきちんと記入して送らないといけませんでした。

家族に分からないように封書しますとのことでしたが、差出人の弁護士事務所の名前を隠すことは出来るわけもなく、私が受け取れるかの心配はありました。

 

そして、心配は的中しました。

 

私の外出中に、偶然にも休みで家にいた夫がその書類を受け取りました。

当然、驚いて私に電話をかけてきます。

 

『弁護士から手紙がきてるけど、これ何? お前、何やったんだよ?』

 

「帰ってから説明するから、待って」と言っても「・・・・・・何?」と怪訝そうな声で私に尋ねていました。

 

無理矢理そこで会話を終わらせて電話を切った私は、全てを話そうと諦めて帰宅しました。

本当に観念しましたので、どこにも寄り道して時間を稼ごうなどとは思わなかったです。 

 

そして自宅に帰り、玄関を開けると――。

 

書類を持って仁王立ちする夫が待っていました。

 

私の顔を見るなり「何やったん?」と問い詰めてきました。

娘には聞かせたくなかったので、そのまま娘をリビングにいさせて夫と別室へ移動して説明しました。

 

メル友になったらお金をくれると言われたこと、カード払いで支払い始めてしまったこと、次は必ずって言っておきながら全然連絡がとれなかったこと、説明が下手だったと思いますが、泣きながら必死で説明しました。

 

そんな私の説明が終わるのを、夫は黙って聞いていてくれました。

 

「100万くれるって言われて、信じたの?」

「・・・・・・うん。」

「しょーーーーーじきに言って? いくら取られたん?」

「・・・・・・40万。」

 

怒られる、怒鳴られる、罵倒される・・・・・・そう身構えた時に、夫の言葉に驚きました。

 

「なんだ、そんなもんか。よかったよ、それですんで。

良いか? これは高い人生勉強したと思いな。

たかだか40万だ。そんなもんで世の中知れれば安いだろ?」

 

そんな言葉が返ってくるとは思いませんでした。

40万円が、決して安いとはどう考えても思えないのに・・・・・・。

それでも安いと言ってくれる。人生勉強だと言ってくれる。

驚いて、でも、でも・・・・・・と泣きじゃくりました。

 

そして、夫は更に優しい言葉をかけてくれたのです。

 

「お前・・・・・・この1週間、俺にバレないか怖かっただろ?

それなのに平気な顔して俺に飯作って、笑って・・・・・・頑張ったな」

 

その言葉で、一気に肩の力が抜けました。

本当に怖かった。心細くて、不安で、でも相談できなかったから。

 

「もう隠さなくていいから、安心しな」

 

そう言って、頭を撫でてくれました。

怒られるとばかり思っていたのに、予想外の反応すぎて心から安堵しました。

ごめんなさい、ごめんなさいと、何度も謝りました。

 

そして今後の話をしました。

取られてしまったのは仕方ないけれど、悔しくて取り返したいのだと。

この弁護士さんは詐欺ではないから、どうか依頼させて欲しいと。

事務所とやりとりしているメールなどは、包み隠さず教えるからとも。

 

(もう、夫に隠し事をするのはやめよう)

私はそう心に誓いました。

夫も一緒に書類を見てくれて、それならと依頼することを許してくれました。

 

夫に知られるのが一番心配していたことでしたので、逆に夫に書類が届いて良かったなと思った瞬間でした。

 

そして書類を記入・捺印して、いよいよ送ろうと証拠となるサイトのスクショを撮ろうとした時――。

 

やりとりしていたサイトが無くなってしまっていました。

 

 

 

《つづく》